人生の分かれ道

そんな一年生の春休みのこと。

当時の担任の先生だった松本先生が、
本当に親身になって指導してくれました。

「おまえのやりたい事が本当にやりたい事なのか体験してこい。
 学校には俺が許したと言ってやる。」

と二年生への進級の道を残しながら、
禁止されていたアルバイトを勧めてくれたのです。

おそらく松本先生と両親の間で話し合いがあったのでしょう。

アルバイト先は、
母の知り合いが勤める工務店でした。

大工工事のアルバイトは一つ一つが新鮮で、
見ることやること全て楽しかったので、
なんの迷いもなく、

「学校を辞めて、このままバイトを続ける」

と決断しました。

進級した同級生から、

「本当に辞めたのか?お前の席あるぞ」

と言われたこともありましたが、
その後、松本先生が、

「嶋田は進みたい道を見つけて辞めた」

と皆に伝えてくれたようです。

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